使用済みEVバッテリーの資源循環システムの構築を目的とする「グリーンEVバッテリーネットワーク福岡(GBNet福岡)」に参画

2024.11.01

▲西日本オートリサイクルと共同製作した車両傾転装置
 吉川工業は、急増する使用済みEVバッテリーの資源循環システムを構築することを目的とする「グリーンEVバッテリーネットワーク福岡(以下、GBNet福岡)」に参画しました。
 福岡県は、リサイクル総合研究事業化センターを持っており、3Rの新技術の事業化・社会システム構築を支援してきた経験、産・学の取り組みをコーディネートするノウハウを持っています。
 また、北部九州は自動車産業の一大拠点ということであり、4つのメーカーが立地しており、多くの部品サプライヤーが集積している特徴があります。

 EV電池の循環市場は、3Rの時代にはリサイクルのコスト負担が大きい環境対策でしたが、サーキュラーエコノミーに転換することで新しい市場を創出する成長産業となることが期待されています。災害対策や地域産業創出を志向する自治体の市場支援の意義は大きく、今回地域団体が設立された福岡県を起点として全国に展開することが想定されます。今後、EV電池スマートユース協議会と地域団体の連携のもと、サステナビリティへの貢献が可能な新たな市場への参入を目指す多くの自治体・企業へのスマートユースの拡大を進めていきます。

 吉川工業は、2020年にグループ会社の西日本オートリサイクルとともに開発したEVバッテリー取外用車両傾転装置の技術知見を活かし、今後の電池解体設備の実証活動に貢献します。この活動を通して使用済EVバッテリーの資源循環システムの早期実現に寄与します。

【GBNet福岡の概要】
 今夏7月、福岡県は、日本初のEV電池循環市場形成に向けた地域団体として「グリーンEVバッテリーネットワーク福岡(GBNet福岡)」を設立しました。自動車メーカ、リユース・リサイクル事業者、金融機関等と公益団体等が参加しています。
 GBNet福岡では、EV電池の循環利用を進めるために、中古EVの利用促進、EVから取り外した電池を用いた他用途向けリユース電池製造、さらに、自治体を起点として大規模な地域利用を促進します。地域利用が進め、電池が将来の資源として蓄積され、地域での電池製造時に利用可能となります。これにより、福岡県はEV電池の生産と循環の拠点となることを目指します。
 こうした地域での循環利用の仕組みは、スマートユースというコンセプトによって生み出されたもので、福岡県による地域発の取組が進めば、全国への発展が期待されます。